人気ブログランキングへ 以前、当ブログにおいて、「マッカーサーの告白 」と題する記事を上げたことがある。
元になったソースはこの動画である。
これを初めて見た時は、大変驚いた。
「1951年のアメリカの公聴会の場において、マッカーサーがここまで言っていたというのか………」
幾分の不自然さ、疑問は感じたが、流れる文面はあくまでも「マッカーサー本人の言葉」という体裁を取っている。
朝鮮人ではあるまいし、まさか捏造してるわけではあるまい。また、石原前都知事も、「マッカーサーの告白は教科書に載せるべきだ」といった類いの発言をしていたことも頭にあり、全文がもちろんマッカーサーの言葉であると判断してしまった。
◎要必見 !
なぜ言わない?『マッカーサー証言・パール判事・原爆投下・・國』
……所が、その原文を見ると、相当尾ひれがついて脚色されたものであることがわかる。(※ただし、その内容自体は正しい-これがまた話をややこしくしてる)
こういう逸脱した拡散手法は、私自身も厳に戒めているが、まさか、いやはやと言った所である。
今後は、このような情報ソースについては、その逆の確認《〇〇〇は捏造だ》検索も怠らないようにしていきたいと思った次第です。
さて、そこで問題の「マッカーサーが実際に言った言葉」はどうであったのか?という所だが、これについては明白なようである。↓
※英原文については、当ブログの前の記事参照
《………潜在的に、日本の擁する労働力は量的にも質的にも、私がこれまで接したいずれにも劣らぬ優秀なものです。歴史上のどの時点においてか、日本の労働者は、人間は怠けてゐる時よりも、働き、生産してゐる時のほうがより幸福なのだとゐふこと、つまり労働の尊厳と呼んでもよいやうなものを発見してゐたのです。 これほど巨大な労働力を持ってゐるといふことは、彼らには何か働くための材料が必要だといふことを意味します。彼らは工場を建設し、労働力を有してゐました。しかし彼らは手を加へるべき原料を得ることができませんでした。 日本は絹産業以外は、固有の産業はほとんど何も無いのです。彼らは綿が無い、羊毛が無い、石油の産出が無い、錫が無い、ゴムが無い。その他実に多くの原料が欠如してゐる。そしてそれら一切のものがアジアの海域には存在してゐたのです。 もしこれらの原料の供給を断ち切られたら、一千万か一千二百万の失業者が発生するであらうことを彼らは恐れてゐました。したがって彼らが戦争に飛び込んでいった動機は、大部分が安全保障の必要に迫られてのことだったのです。〉(東京裁判日本の弁明 「却下未提出弁護側資料」 小堀桂一郎編 講談社学術文庫)
《日本という国はもともと、質量ともに非常に高い労働力を有しています。人間は怠けている時よりも額に汗しているときのほうが幸せなのだという、いわゆる労働を尊ぶ精神というものを、いつからか日本人は身に着けてきたようです。
大きな労働力を有するということは、つまり、それに見合うだけの仕事が必要なわけですが、工場を建て、労働者がいても、日本には原料がありませんでした。実際、養蚕意外、日本原産と言えるものは何も無かったのです。日本には綿も羊毛も、石油製品、スズ、ゴム、その他多くの資源がありません。そして、アジア海域にはそれらの全てがありました。
原料の供給を断たれれば、国内で1000~1200万人が職を失います。これは日本にとって死活問題でした。つまり、その危機を回避することが、日本が戦争に打って出た主たる目的だったのです。》(井口玲子さん訳)
『They feared that if those supplies were cut off, there would be 10 to 12 million people unoccupied in Japan. Their purpose, therefore, in going to war was largely dictated by security.』
……… going to war was largely dictated by security.
戦争突入は主に安全保障に迫られてのものだった。
はっきりとsecurity と書かれている。
このsecurityを、安全保障だの自己防衛だのと訳すのが気に食わないと唱える輩が散見するが、では“securityのためだった”と訳せばよいのか?
文面文脈から見ても、日本が戦争に突入したのは、安全保障、自己防衛のためだとマッカーサーが言っているのは否定のしようがない。
※こちらも注目
〇トルーマン/マッカーサー ウェイキ島会談議事録
Substance of Statements Made at Wake Island Conference - October 15, 1950
人気ブログランキングへ ウェイキ島会談議事録P12-6行目以下。マッカーサーが朝鮮戦争の戦犯取り扱いについて語る箇所。
Don't touch the war criminals. It [doesn't work]. The Nurnberg trials and Tokyo trials were [no deterrent]. In my own right I can handle those who have committed atrocities and, if we catch them, I intend to try them immediately by military commission.
戦争犯罪者を裁くというようなことをしてはならない。やってはならない労働だっだ。ニュルンベルグ裁判と東京裁判は戦争の抑止にはならなかった……
この文面からは、日本に対するお詫び云々ではなく、《東京裁判でA級戦犯等を規定して裁く行為は失敗だった》という後悔が見て取れる。
そして、実際にそのように言っていることは間違いない。
この裁判自体が、非常に作為的なものであったということが暗に読み取れる。
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